こんち、プリっち☆でっす。
今日2014年3月15日(土)ですが、とても良いお天気でした。
今日は渋谷の観世能楽堂に市川海老蔵さんの「古典への誘い」という舞台を観に行きました。
普通は歌舞伎のジャンルだと、歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場、浅草公会堂などが主な上演劇場なんですが、今回は少し変わった催し物として能とコラボするという趣向を考えて実現されたようです。
全体のテーマとしては、連獅子で、獅子(ライオン)の親が子供を崖から突き落として這い上がってきた強い子のみをそれから先も育てていくという様子を現した歌舞伎舞踏と、その間に石橋という半能(狂言の用なものだと思うんですが。。。)の演目を入れたものでした。
子供の獅子の役を市川福太郎くんという、今年中学に入るという男の子が演じていて、一番初めのオープニング・トークのときに、市川海老蔵さんといっしょにこの「古典への誘い」についての説明や自分自身についてのエピソードなどを積極的に語っていて、とても可愛らしかったです。
あとは、お能の関係の先生。。。たぶん竹柴先生という方もいろいろと説明されていました。お名前確かでなくてすみません。。。海老蔵さんと同級生だと、海老蔵さんがおっしゃっていたように思います。
前シテというものと後シテというものがあるとか説明されていたのですが、このあたりはたぶん能の説明だと思います。
まず、獅子面をつけた大人の獅子と子供の獅子の舞。赤白のボタンが左右にあり、飛び乗ったり下りたりする低めの飾り壇が置かれての舞踏がありました。
これは能面をつけての舞なので、音楽も能なのですが、本来静かな感じの能の音楽で歌舞伎のような激しい舞の音に挑戦されていたせいか、ちょっと。。。だったかなあと思います。もちろん、試みとしては面白かったのですが、やはり歌舞伎っぽい舞には能の音楽は合わないなあと思ったりしました。
その後は、2人の宗派の違う仏教の僧二人が聖山をめざす途中にでくわして、それぞれが「南無妙法蓮華経」が良いとか「南無阿弥陀仏」が良いとか言ってお互いに音を鳴らして言い合っているうちに、それぞれの言っている言葉が入れ替わってしまい、最後には大笑いという面白い演目でした。これは狂言かなと思ったのですが、演目の紹介のところには半能と書いてあります。面白かったです。
その後、今度は歌舞伎メークをした海老蔵さんと福太郎さんが、それぞれ長髪の白のカツラと赤のカツラをかぶってあらわれ親獅子が子供を突き落すところから子供が這い上がってくるようすなど、その後2人そろって髪を振り回して舞い踊るという舞踏が演じられ、なかなかすごくて良かったです。
はじめのスピーチでは、海老蔵さんいわく、能楽堂で歌舞伎というのも不思議な感じかもしれないけれども、もとは同じというようなところもあると言い、能の先生のおっしゃるには能の舞台には神様とする場所があり、もともとは神様に捧げる芸能であったということでした。
うちとしては、能も歌舞伎も好きなので、こういったコラボというものはなかなか見られないということもありある種新鮮ではあったのですが、もうだいたいが確立された様式の2つなので、やっぱり能は能、歌舞伎は歌舞伎という風に続けていかれた方が良いのかなと思いました。
ただ、能についてあまり知られていなかったり、良さがわからない場合もあると思うので、歌舞伎ファンの人がこういう機会に能や狂言の良さを知るという機会としてのコラボ上演は悪くはないかなと思いました。
このごろの歌舞伎のお唄、三味線の方々はうちが観る限り聴く限りにおいては非常に良く精進されており、大衆芸能でありながら芸能として「極めている」という感じを強く受けるのです。
能はもうすでに神にささげる芸能として高貴なイメージがありますが、それでもやはり演じる人や囃す人の気持ちが精進していないと良い音にもならないし、良い唄にもならないと思うので、こう言っては生意気ですが、舞台に神様がおわすかどうかということも大事ですが、そういうことにかかわらず、精進されて良い舞踏や良い囃し、歌を上演されることで神様もいあわせられれば喜ぶとお思いになり、これからも頑張っていただければなと思います。
つまり、能は古くから神様に捧げる芸能として、芸能のジャンルとしては歌舞伎よりも格が上となされているかもしれず、実際にそうかもしれませんが、歌舞伎にたずさわる人たちの精進ぶりにはときに眼をみはるものがあり、それはもともとある枠としての格の差を軽く飛び越えていることもあるのだと、うちは思います。
ということで、古くて新しい試みを拝見して、全体的にはなかなか良かったという感想を持ちました。
ただやはり、能の唱や演奏で歌舞伎の激しい舞に合わせるのはちょっと無理かなあと思いました。
石川県金沢市にいたころに学校からみんなで観に行った能や、毎年のように中央公園で催されていた薪能を思い出して、また能も観たくなりました。
お能は日本には流派が5つあるそうです。そのうちの1つが今日の流派で、金沢のものもその5つのうちの1つだそうです。そのうちまた歌舞伎も観に行くし、今度は能も観に行こうかなあと思いました。
では、また~![]()
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